ときのそら・ロボ子さんはホロライブにいつ所属したのか?

 9月7日にときのそらさんのデビュー5周年、そして同時に所属事務所であるホロライブプロダクションも5周年を迎えるということもあってか、ファンの制作した以下の簡略図が話題になった。


 とても見やすくて、説明に適した図を作ってくれているのだが、ホロライブの古いファンであるほど「そういえば……」と気付くポイントがある。

そらロボ二人がホロライブ所属となった詳細な時期は不明です。

串からす on Twitter: "「0期生って結局どういう集まりなの?」 「同期なの?」「始まりの5人ってコト!?」 と聞かれた時にざっくりと説明できる年表を作ってみました。参考程度にご活用下さい🙇 #soraArt #ロボ子Art #miko_Art #ほしまちぎゃらりー #AZKiART https://t.co/EVFXFRtAIN" / Twitter

 そう、ホロライブ1期生がデビューする以前から、運営企業である「カバー」社の手掛けていた「ときのそら」「ロボ子さん」の2名がいつ「ホロライブ所属」となったのか? については公式のデータがないのだ。
 逆に、個人勢として1期生より早くデビューしていた星街すいせいさんの場合はホロライブに所属(別プロジェクトからの転籍)した日が公式に記録されている。

 そらロボの2人に関しては明確な記録がないので、ファンのあいだでもホロライブに所属した時期は「いつの間にか」という認識をされているのだ。

仮説:グループとしての「ホロライブ」が成立した日?

 ただ、「いつからなのか」は言い切れないものの、「おそらくこの日以降からは所属している」と言えそうな情報ならあった。

 それは、カバー社がホロライブ1期生のオーディションを発表した日まで遡る。

バーチャルYouTuberになれるスマホアプリ「ホロライブ」がオーディション開催!|カバー株式会社のプレスリリース(2018年5月2日)

 この時に、夜空メルさんを除いた今の1期生たちが「専属バーチャルYouTuberという名目で募集されているのだが、元々「ホロライブ」は配信システムやアプリの名称として知られていた(配信システム時代は「hololive」表記が主)。

スマートフォンでバーチャルYouTuberに!iPhone、Android対応キャラクターなりきりアプリ「ホロライブ」リリースのお知らせ|カバー株式会社のプレスリリース(2018年4月5日)

 配信システムから移行した「なりきりアプリ」版のホロライブがリリースされた当日も、「専属バーチャルYouTuberオーディション」を「近日発表予定」と予告している。それを正式に発表した日が5月2日であった。

●応募詳細
下記のオーディションページより、応募詳細をご確認頂けます。
https://www.hololive.tv/audition

バーチャルYouTuberになれるスマホアプリ「ホロライブ」がオーディション開催!|カバー株式会社のプレスリリース

 このオーディションページの告知は、ホロライブの公式アカウント(現在は「ホロライブプロダクション」のアカウントだが当時はまだアプリのアカウント)でも5月2日に行なっている。

 ただしオーディションが終了している現在、このURLのページにはアクセスできない。


 ところで当時の記録を調べていると、あることに気付く。そのトップページである「https://www.hololive.tv」自体に、2018年5月2日より過去の形跡が見当たらないのだ(Twitterで検索すると最も古いリンクが5月5日になっている)。

 ホロライブの公式サイトの開設は、アプリだった時期も含めてどこにも告知されていなかったように見える。当然、「サイト開設日」の公式記録も見当たらない。
 状況からの憶測だが、どうやらhololive.tvのサイト自体が、オーディションページと同時に公開されていた可能性が高い。

 さて、ここからが重要だが、その公式サイトのトップページに、「ときのそら・ロボ子さん」がホロライブに所属した時期を知るヒントがある。

 オーディション開始と同日のWebアーカイブは運良く残されており、もちろんそれが最古のアーカイブなのだが、トップページの下のほうに「所属タレント/ときのそら/ロボ子さん」という記述があるのだ。


web.archive.org

 この時、2人は何に「所属」していたのか? と考えるなら、ホロライブの公式サイトなのだし、答えは間違いなく「ホロライブ」だろう。
 ただし、この時点で存在していたのは「アプリの名称」としてのホロライブであり、後に1期生たちがデビューすることになる「グループの名称」としてのホロライブとは違うのではないか? という疑問はある。

 だが、この「所属タレント」という表記の初出が、「専属バーチャルYouTuberのオーディション発表」と同じタイミングなのだとしたら、少し解釈が変わってくるはずだ。

 つまり、オーディションページにおける「ホロライブ専属バーチャルYouTuberという枠組と、トップページにおける「ホロライブ所属タレント」という枠組が共に指している「ホロライブ」は、同一のものだと考えるのが自然だろう。

 確かに直観的なイメージで言えば、1期生の先行メンバーである夜空メルさんがデビューするまで「グループとしてのホロライブ」は始まっていないような気もするのだが、募集を始めた時点で、その応募の受け皿としての「ホロライブ」は間違いなく成立していたとも言える。

 だから結論として、「1期生オーディションの発表日ホロライブ公式サイトの公開日1期生の所属先としてのホロライブの成立日ときのそら・ロボ子さんの所属日」が同日(2018年5月2日)だったという仮説がありうるのではないだろうか。

 ただし、肝心のトップページの公開が5月2日だとする決定的な証拠がないため、(公式による情報がこれ以上提供されないかぎり)仮説止まりの日付けということになるだろう。

 それでも、一説として「1期生のオーディション開始と同日にはすでに2人はホロライブに所属していた」とは充分言えると思う。

 そして最後に付け加えておくと、現在のホロライブプロダクションは「ときのそらのデビュー日をホロライブプロダクションの始まった記念日とする」と位置付けている。
 だから公式見解としては、配信システムだった時代の「hololive」と、事務所の「ホロライブプロダクション」は表記が変わっただけの同一のもので、「ときのそらはデビュー日からホロライブ所属だった」とも言えるのだろう。

おまけ:全体ライブの開催・告知のペースについて

 ときのそらさんの5周年記念ライブの直後、ホロライブプロダクション5周年記念特番において、ホロライブEXPO 20234thフェスの開催が告知された。

www.famitsu.com

 全体ライブとしては、2020年の1stから数えて4回目になるわけだが、厳密には「毎年」の開催だったわけではない。

 ほぼ毎年ではあるが、開催間隔にズレがあるため、実は2021年は全体ライブのない年だったりするのだ。
 ちょっと計算がややこしいので、改めてまとめてみよう。

 1stが年始、2ndが「約一年後(11ヶ月後)」の年末。さらに翌年は、参加者を希望制にしたライブ「Bloom,」の開催を挟んだ15ヶ月後が3rdだった。

 5年の歴史を持つようになったホロライブも、一年ごとの見通しが安定してきたのか、3rd以降は毎年3月頃の開催というペースが続くのかもしれない。

 また、今回は意外なタイミングでの告知だったので、今まで「ホロの試練」で重大告知が行われていたタイミングも振り返ってみよう。

 こうして見ると、開催の告知は「毎年の年末近く」というペースだったことが分かるし、今年の告知が9月7日というのはやはり、今までになく早い告知だったのだと分かる。


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